【Abstract】
国家試験に出題されるパーキンソン病の知識は毎年1,2問程度。覚えるべき知識はほんのわずかなのでまずは必要最低限の知識で構わないので覚えてしまいましょう。
こんにちは。PDSQ Labo編集部です。
パーキンソン病に関して、臨床現場で求められる知識は膨大な量ですが、国家試験ではどの程度必要なのでしょうか。実際に過去の問題を見てみましたが、必要な知識は決して多くはありません。
ただ、毎年出る問題数も1-2問程度なので、国家試験対策であればサクッと必要な部分だけ覚えてしまいましょう。
まずは、必要な知識の要点を文章で解説していきます。実際、この文章さえしっかりと理解して覚えておけば確実に点数を取れるようになります。過去に出題された部分のみ、太字にしておきますので「ここが大事なとこなんだな」と意識して読んでいってくださいね。
ではまずは必要な知識の要点です!
パーキンソン病に必要な知識
パーキンソン病は、神経伝達物質であるドパミンが減少してしまう錐体外路障害です。
四大症状が有名で、無動・固縮・安静時振戦・姿勢反射障害といった運動症状を認めます。
無動によって無表情になってしまう仮面用顔貌。
固縮により体がこわばり、体が前かがみになったり、動作が緩慢で足が出なくなるすくみ足が出てきます。
手が震える振戦はじっとしている時に強くなるのが特徴です。
病気が進行してくると姿勢反射障害も出てきて、歩き出すと小刻みになり転倒しやすくなってしまいます。
四大症状と言われる運動症状だけでなく、自律神経障害、睡眠障害、精神障害のような非運動症状も多種多様にみられます。自律神経が障害されると起立性低血圧や便秘、精神障害によりうつ症状などもみられます。
はい、これだけです。
要点を文章にまとめるとたったこれだけしかないので覚えるのは簡単ですね。
続いて実際に過去の問題を例に考えていくとさらに知識が深まります。
パーキンソン病の非運動症状として適切なのは?
1.視力障害
2.失語症
3.起立性低血圧
4.乏尿
これはすぐわかりますね。正解は3です。
失語症は脳血管障害、乏尿は腎機能の障害により尿量が減ってしまう症状で、PDでも排尿障害はあるものの内臓に問題がある訳ではありません。
「78歳の男性。手がふるえ、動作が緩慢で、表情がなく、前屈みになりやすく、筋肉がこわばる。」
本症例でみられる症状と所見の組み合わせで正しいのはどれか。
1.手がふるえるー企図振戦
2.表情がないー満月様顔貌
3.前かがみになるー起座位
4.筋肉がこわばるー固縮本症例の原因で適切なのはどれか。
1.錐体路障害
2.炎症性脱髄
3.ドパミン欠乏
4.アセチルコリン受容体障害
上の問題は、四大症状を理解していれば簡単です。正解は4です。
企図振戦とは動作を行おうとしているときに出てくる振戦で原因不明の本態性であると言われています。
満月様顔貌は副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって顔に脂肪が沈着して丸くなってしまう症状です。
起座位は一瞬「??」どういう意味だろうと感じてしまいましたが、呼吸器の疾患ではテーブルの前に手をついて座る姿勢をすることで呼吸の負担が軽減します。
下の問題は、正解は簡単ですが他用語もせっかくなので何かを押さえておきましょう。正解は3です。
炎症性脱髄は多巣性ニューロパチーという末梢神経の神経炎です。
アセチルコリン受容体障害は重症筋無力症という筋力低下を引き起こす自己免疫疾患です。
どうでしたか?
事前に要点知識があれば簡単に解けましたよね。
学校の教科書をなんとなく読み進めるよりも、過去問で問われやすいポイントを押さえておけば理解もより一層深まると思います。
ぜひ問題集を解きつつ知識を深めていってください。
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