パーキンソン病に浮腫にマッサージってしてもいいの?

こんにちは!PDSQ Labo編集部です。

今回は「浮腫にマッサージはしてもいいの?」というお悩みに回答したいと思います。パーキンソン病の患者さんで浮腫に悩んでいる人も多いので出会った人も多いのではないでしょうか。

結論としては、「原因を分析した上で行う場合には良いと思う」となります。

何も原因分析せずにマッサージをしてしまうことで効果が見込めないだけでなく、状態を悪化させてしまう可能性もありますので、原因が何なのかは押さえておきたいですね。

パーキンソン病で浮腫がある場合に考えるべき原因は大きく3種類あります。

1.心臓や腎臓・肝臓による影響
2.治療薬による影響
3.活動量の低下による影響

 

1.心臓や腎臓・肝臓による影響

まず大前提となるのが基礎疾患による影響です。中でも浮腫に関連するものとして心臓や腎臓・肝臓が関与するため、基礎疾患の有無は問診の中で必ず確認しておきましょう。

また、パーキンソン病の進行期になってくると「アルブミンの低下」が起きやすくなり、その影響で浮腫を認めるケースもあります。

アルブミンとは、
血液中に存在しているタンパク質のうち、もっとも多くを占めるタンパク質のことです。主な働きは、血液中の水分を留めて血管浸透圧を維持したり、血管内の物質の運搬や保持をしたりすることです。

肝硬変やネフローゼ症候群、低栄養などがある場合には、マッサージをしたところで効果は見込めないため、服薬治療や栄養面などのケアを考えていきましょう。

2.治療薬による影響

基礎疾患による影響を除外した上で考えていきたいのが「治療薬による副作用」です。

発生機序は不明ですが、ドパミンアゴニストには循環障害を引き起こすことが報告されており、下腿浮腫を認めた場合には治療薬による影響も考えておきましょう。

【特に注意しておきたい治療薬】
⚪︎カベルゴリン(商品名カバサール)
⚪︎プラミペキソール(商品名ビ・シフロール)
⚪︎アマンタジン(商品名シンメトレル)

参考文献:Characteristics of sympathetic skin response in patients with Parkinson’s disease accompanied by lower limb edema

治療薬の影響によって浮腫が起きている場合には「減薬or断薬、利尿薬」により症状が軽快することもあるようです。

基本的に、鍼灸師が「浮腫は薬の副作用だ」と特定することは不可能なので、治療しても改善が見込めなかったり、逆に悪化するようであれば適宜医師へ相談することが大切です。

3.活動量の低下による影響

上記2つを除外した上で、ようやく「動かないことによって浮腫が起きる」ということを考えられます。

下肢を動かさないことによって、体の中では、血管透過性の亢進や筋ポンプ作用の低下、自律神経異常などが起きてしまい結果的に浮腫が起きてしまいます。

このようなケースであれば、マッサージによる治療で改善が見込めます。

ただし、不動によって起きた浮腫の場合には「深部静脈血栓症が疑われる」場合もありますので、少しでも怪しいと感じた場合にはマッサージは禁忌となりますので行わないようにしておきましょう。

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