こんにちは!PDSQLabo編集部です。
みなさんは日々担当しているパーキンソン病患者さんの活動量はどの程度かを把握していますか?
「最近出かける頻度が減ってきたわ」
「疲れやすくなってきた」
このような悩みに対し、「毎日頑張って歩きましょうね!」と言ったアドバイスをしている人も多いのではないでしょうか?
ただ、このようなアドバイスで「よし!頑張って歩こう!」と鼓舞される人はまずいないと思います。
今回は、活動量をいかに「見える化」することの重要性をお伝えしたいと思います。
1.まずは一般的な高齢者の活動量の目安を知っておこう
パーキンソン病患者は一般的に健常者と比べて活動量が低下すると言われています。
1日の活動量をどうやって増やす、ないし維持することが出来るかどうかは病気の進行予防には極めて重要な課題です。
まず、一般的な高齢者の活動量はどの程度なのかについて押さえておきましょう。
70歳以上の高齢者における1日あたりの平均歩数の現状は、【男性が5,436歩、女性が4,604歩】(H9)であり、高齢者にとっての1,000歩は約10分の歩行時間に相当するので、1日に40-50分歩いていることになります。
2.活動量の調べ方(TDEE)
TDEEとは、Total Daily Energy Expenditureの略で、一日の総消費カロリーのことをいいます。
TDEEは「基礎代謝量+一日の活動カロリー」で算出することができます。
ということは「基礎代謝量」がどの程度なのか知っておかないといけませんね。
基礎代謝量は、生命を維持するために必要な最低限度のエネルギー量のことです。
基礎代謝量の計算式 (ハリス・ベネディクト方程式 改良版)
男性: 13.397 × 体重kg + 4.799 x 身長cm – 5.677 × 年齢 + 88.362
女性: 9.247 × 体重kg + 3.098 x 身長cm – 4.33 × 年齢 + 447.593
TDEEは算出された基礎代謝に、活動状況を掛けることによって導き出すことができます。
TDEEの計算式
活動量がとても少ない人 = 基礎代謝 × 1.2
活動量が少ない人 = 基礎代謝 × 1.375
活動量がふつうの人 = 基礎代謝 × 1.55
活動量が多い人運動 = 基礎代謝 × 1.725
活動量がとても多い人 = 基礎代謝 × 1.9
ここまでが活動量の計算方法です。
ただ、この計算ってとてもめんどくさいですし、活動量の目安を出すことはできても、実際の活動量の数値は難しいのが課題です。
3.活動量を測定するのにおすすめなツール
活動量を測定する上で非常にオススメなのは活動量計です。
装着するだけで簡単に測定ができ、患者さんのモチベーションにもつながります。
こういったツールを活用することで
「来月は1日4000歩を目標にしましょう」と具体的な課題に落とし込むことができます。
安価でオススメな物としてはTANITAの活動量計で、シンプルで目標となる活動量も可視化できるので高齢な方には手軽に使えます。
また、機械の操作が問題ない方であればガーミン社のウェアラブルデバイスは非常に優れ物です。
値段は安くはないものの、活動量の他に睡眠状況やストレスレベル、心拍数なども詳しく把握することが出来るので健康をマネジメントするのにかなり使える物だと思います。
ぜひ、こういったツールも積極的に活用して患者さんのより良い健康をサポートしていきましょう。
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