こんにちは!PDSQ Labo編集部です。
今回紹介する論文はインドの研究者が報告したもので、
「むずむず脚症状を認めたパーキンソン病患者に対し、アシュワガンダと呼ばれる植物由来の薬剤を加えるとむずむず脚症候群が緩和された」という内容です。
症例報告「パーキンソン病における難治性むずむず脚症候群の補助療法としてのWithaniasomnifera:症例報告」
アシュワガンダとは、睡眠障害を助けると考えられている植物由来の生薬で、インドにあるナス科の植物です。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、漢方でいう補気薬のように滋養強壮剤として使われてきました。
近年、その中に含まれる「ウィザノライド」という成分には、神経細胞を修復・再生させる生理活性を持つことが明らかになってきています。
むずむず脚症候群(RLS)とは、
特にじっとしている時に、脚に不快感を感じるために「脚を動かしたい」といった衝動で、PD患者によくみられ、睡眠障害の一因となることがよくあります。
本研究では、6年前にパーキンソン病と診断された72歳の女性で睡眠障害を訴えている症例です。
彼女は眠りにつくのに苦労し、夜中に数回目を覚まし、朝早く目を覚まし、日中の倦怠感を認めています。
また、むずむず脚症候群によって、夜遅くに座っている間、痙攣、うずく感覚、および両下肢の不安感といった症状も認めていました。
治療としては、Lレボドパ-カルビドパに加え、不眠症に対し言語療法と投薬を受けていました。また、むずむず脚症状群に対してはプレガバリンと呼ばれる抗てんかん薬を服用していました。これらの治療にもかかわらず、彼女の不眠症は持続し、彼女は週に約3回症状を経験していたとのことでした。
2か月の服薬治療によって、女性のむずむず脚症状は完全に改善。それに伴い不眠症も緩和され、毎晩約5〜6時間眠ることができ、日中の眠気は大幅に減少したとのことでした。
また、アシュワガンダを追加した後、振戦と筋強剛の症状もわずかに改善したようです。
この報告によって
「PDの場合にアシュワガンダがむずむず脚症候群の寛解をもたらした可能性がある」ということが示唆されました。
※こういった漢方は鍼灸師の自己判断で勧めるのではなく必ず医師の判断を仰ぎましょう。
今回は症例報告ではありますが、今後こういった漢方やハーブの有効性に関する研究が増えていくことを期待しています。
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