パーキンソン病に関わる鍼灸師が最低限押さえておきたい手術療法

こんにちは!PDSQ Labo編集部です。

新人鍼灸師や鍼灸学生に向けて在宅の臨床現場で必要な情報をわかりやすく発信しています。

前回、「パーキンソン病の診断基準に関するお話」をしましたが覚えていますか?

パーキンソン病の診断ってどうやってしているの?という鍼灸師のあなたへ。

診断までに結構時間がかかる人も多いし、診断がついてから変わってしまうというケースがある理由が分かったんじゃないでしょうか?

今回は、パーキンソン病に関わる鍼灸師が最低限押さえておきたい手術療法についてわかりやすく解説したいと思います。

「DBSをしようか迷ってるんですけどした方がいいですかね?」
みなさんはこんな質問をされた時、なんと答えていますか?

鍼灸師A「んー、分からないので主治医に相談してみてください」
鍼灸師B「DBSの特徴は〇〇で、メリットは〇〇、デメリットは〇〇があります。詳しくは主治医に相談してみてください」

鍼灸師が直接手術に関わる訳ではないですが、担当する患者さんにとっては医療従事者であり、手術の特徴を理解しておくことはとても大切です。

パーキンソン病は「薬物療法と運動療法」が基本となりますが、手術療法も選択肢の一つになります。

ただし、すべての患者さんが適応できるわけではないのでしっかりと押さえておきましょうね。

パーキンソン病に代表的な手術にはDBSとLCIGの2種類があります。それぞれの特徴を解説していきます。

1.DBSとは

【DBSの適応となる症例】

認知機能の低下や病的な精神症状がないことが前提としていて、運動症状を認める場合に適応となるそうです。
ターゲットとなる運動症状は、ウェアリングオフとジスキネジアとなります。
DBSの適応として理想的なものとして3点があり、

  1. レボドパ製剤を1日5回以上服用
  2. 1日2時間以上のオフ症状を認める
  3. 1日1時間以上のジスキネジアがある

 

また、年齢としては高齢になるほど難しいこともあり、70歳以下が望ましく、脳外科手術が可能な体力があるかどうかが重要とのことでした。

2.LCIGとは

【LCIGの特徴】
※LCIG=レボドパ/カルビドパ経腸用液療法
胃瘻を造設して小腸にチューブを通してゲル状のレボドパ製剤流す治療法。経口からの摂取だと、PDの進行期では上部消化管の蠕動運動が低下してしまうため、安定して体内に吸収出来ず症状も改善しにくくなってしまうのを、LCIGであれば安定して吸収させられるため、運動症状が改善できます。

【デメリット】

  1. 胃瘻を造設する
  2. 毎日ゲル状の薬の交換やポンプを洗う必要がある
  3. 1日16時間までしか使用できない
  4. デバイスのトラブルとしてチューブ抜去などあり

 

【LCIGの適応症例】

DBSと適応症状はほぼ同じなんですが、特徴としては認知機能の低下が多少あったとしても、デバイスの管理が出来る人が周りにいれば導入可能。
また、胃瘻の造設が可能であり、管理出来る人がいれば70歳以上であっても可能だそうです。

 

3.DBSとLCIGどっちを選べば良いのか?

第1選択はDBSですが、事前検査で認知機能の低下や抑うつがある場合にはDBSは適応難しいため、第2選択としてLCICの導入を検討するそうです。

鍼灸師としては、相談されることもあるので理解しておくことが大切です。

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